国立大学の来年度の入学定員を文部科学省が発表

文部科学省が、8月28日、来年度(平成28年度、2016年度)の国立大学の入学定員を発表したそうだ。

それによると、入学定員は前年比306人減少の95971人。

少子化が進んでいるが、国立大学の定員はほとんど変わらないようだ。

分野別に見て行くと、人文で5人、社会で25人、理学部で15人、その他で6人減らし、工で35人、農水で10人、教育では207人増やすことになっている。

文科系学部を大幅に減らすような噂もあったが、現実には、極くわずかしか減らさず、むしろ、教育で207人増やすというのは少子化の流れからいうとちょっと不思議な気がする。

学部の新設は、宇都宮(地域デザイン科学部)140人、千葉(国際教養学部)90人、福井(国際地域学部)60人、徳島(生物資源産業学部)100人、愛媛(社会共創学部)180人、佐賀(芸術地域デザイン学部)110人、大分(福祉健康科学部)100人、宮崎(地域資源創成学部)90人の8大学8学部。

全体的には微減ではあるが、870人もの新たな学部ができるようだ。地域デザインとか、国際地域学部とか地域資源創成学部とか、地域の特徴を活かす方向性があるのかも知れない。

入学定員を増やす学科を含む学部は、弘前(教育)、宇都宮(教育)、山梨(生命環境)、信州(教育)、静岡(理)、静岡(工)、三重(教育)、京都工芸繊維(工芸科)、和歌山(教育)、愛媛(教育)、福岡教育(教育)、佐賀(教育)、大分(教育)、宮崎(農)の13大学14学部。

私立大学では定員割れで困っているが、国立大学は入学定員を増やしても問題ないのかも知れない。その分、さらに私立大学が割りを食うおそれもあるが。増やす学部としては、教育が目立つ。

その一方で、入学定員を減らす学科を含む大学、学部もある。

減らす学科は、弘前(教育)、宇都宮(国際)、宇都宮(農)、千葉(教育)、千葉(理)、千葉(工)、千葉(園芸)、東京芸術(美術)、静岡(人文社会科)、広島(教育)、高知(理)、宮崎(教育)の8大学12学部。

宇都宮大学では、教育の入学定員を増やし、国際、農学部の定員を減らすようだ。大学の強い部分の定員を増やし、苦手な分野を減少させているのかも知れない。弘前教育は入学定員を増やす学科にも、減らす学科にも入っているのでよくわからない。その他は理工系の学部がやや定員を減らすようだ。やはり、時代の変化とともに、人気が変化しているのだろう。

しかし、受験生としては、時代の変化に流されるのではなく、10年後、20年後の未来に無くならない仕事を考えて学部を選んで欲しい。

会計士は将来無くなる仕事のNo2になっているので、会計士になるために経済学部に入る、というのは十分情報を取って検討した方がよいと思う。

また、偏差値が高いから、とかではなく、自分が本当にやりたい仕事、やりがいを感じられる仕事に就ける学部、学科を選ぶことをお勧めする。

もっとも、試験マニアであれば、偏差値最高峰の東京大学理科III類に合格し、公認会計士、司法試験に合格した水野遼氏のような生き方もあるだろう。

あるいは、東大からハーバード大学やオックスフォード大学、スタンフォード大学、などに留学し、世界で活躍する人もいる。

自分の適性に合い、人生をかけられる仕事を考えて学部を選ぶのがよいと思う。

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