学歴を付ける意味 本当に昇進・出世に有利?

昔の親は、学歴さえあれば、昇進でき、給与も上がる現実を見ていたので、子供に学歴をつけさせて、いい会社に入り、部長や役員に昇進して裕福な暮らしをして欲しい、と思っていた人が多いでしょう。

実際、大企業の部長になれれば、年収1500万円~3000万円程度も可能で、それ以外にも、厚生年金や福利厚生など老後も十分な蓄えもでき、安心な老後を送ることができます。

しかしながら、そういう考えで勉強すると、学歴を使えば、他の社員よりも楽して昇進できる、という考えにつながり、それが、楽な仕事をしたがるようになる可能性があります。自分はこれだけ勉強してきたエリートだから、一般人とは違い、楽して出世して当たり前だ、という考えです。

そのため、東京大学法学部を卒業した官僚は、できるだけ、楽な仕事をやりたがり、ミスはしたくないので、難しい仕事は先送りしたり、なし崩し的に実務を歪めてしまったりしてしまい、それが現在の外交戦略不在の日本を作り上げた可能性があります。

つまり、せっかく東大まで出たのだから、危ない橋は渡らず、安全な道だけを行こう、大過なく過ごせば、退職後に公的機関や民間企業に天下り、数社を渡り歩くことで億レベルの資産を築ける、という発想で仕事をしていた可能性があります。

しかしながら、こうした、楽な道を選ぶ生き方では、日本を戦略的にいい方向に導くことは難しいでしょう。ときには、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、という精神で日本のために捨て石になる覚悟が必要な場合もあるでしょう。

一般に、優しい道と難しい道があれば、難しい方を選んだ方がよりいい結果が得られることが多いです。逆に一見楽な道は、大した成果には結びつかないことが多いです。誰でもできることですから。

ですから、大学や高校入試でいい大学、いい高校を目指すのであれば、簡単に入れるレベルでお茶を濁すのではなく、難しい道(大学、高校)を選んで欲しいと思います。

それだけではなく、何のために、大学に行くのか?という目的をしっかり考える必要があります。

学歴を利用して、会社で楽して出世していい給料が得られたらそれでいいい、という人もいるかも知れません。しかし、そういう動機ではあまり勉強する気になれないと思います。他人を蹴落として、自分だけが成功すればいい、というのでは、財務省の佐川局長のように、部下に責任を押し付けて自殺までさせるようなことを平気でしてしまうかも知れません。

それでは、世の中はお先真っ暗です。

人間は1人では生きていけません。多くの人の働きがあってこそ、食事もでき、パソコンやゲームもでき、通学や旅行にも行けるわけです。たった1匹の魚も、アフリカの漁民が魚を釣りあげ、巨大な船で築地まで運び、仲買人が仕入れて、魚屋さんに買われ、それが口に入るわけです。そのために働いている人の人数は何百人にもなるでしょう。

みな、多くの人の労働のうえに生かされているのです。

だとすれば、多くの人が様々な恩恵を与えてくれているのですから、自分でも、世の中をよりよくするために働くべきです。

仕事で楽して出世するために東大に入る人と、ガンやアルツハイマー病などの難病の人を救うために医学部に入る人では、人生に大きな差ができるでしょう。

後者は例えば、2012年にiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授のように大成功する可能性があります。

逆に、自分だけ良ければいい、という生徒ばかりが東大に入れば、日本は衰退してしまうでしょう。

学歴を付ける、いい大学に入る意味を根本から問い直し、いい大学、いい会社、いい人生、というパラダイムから抜け出し、世界を変える発明をして世の中をより良いものにする、というような考えで、受験勉強に頑張って欲しいと思います。

人は他人のために頑張るときに一番力が出せます。自分だけの幸せのためだけのためにはあまり頑張れません。

誰かのために受験勉強を頑張って欲しいと願っています。

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