大学入試改革答申がまとまる 中央教育審議会

日本の教育制度は東大を頂点として、東大は官僚養成学校、その他の大学も金太郎あめのようなサラリーマンを養成する大学が多かった。

だから、大学は適当に遊んで卒業し、会社に入ってから会社で教育する、というのが実情だった。

しかし、この教育制度は高度成長時代には機能していたが、円高になり、日本が世界の工場の地位から滑り落ちたことから、いい高校、いい大学、いい企業という図式は崩れ始め、大企業に入れても必ずしも高学歴社員が出世できるわけでもなく、実力主義がどんどん強くなっているような印象だ。

そんな中、大学入試がまた変わるという。

大学入試改革を議論している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は24日、大学入試の選抜方法の改革を促す答申案をまとめた。年内にも答申されるそうだ。

簡単に言うと、知識の暗記力を測定する従来型の知識重視型の試験から、今後は知識を活用できる能力を見る入学試験に改めるそうだ。つまり、ひたすら暗記して知識の量を増やせば合格できる試験から、知識を活用する能力が求められるようになるので、暗記だけでなく、真の理解が問われることになる。

個別試験では、早ければ今の高校2年生が対象となり、2016年度入学の入試から導入されるそうだ。現行の大学入試センター試験も選抜方法が変わる。

本当に思考力のある生徒には有利になり、暗記力だけで勝負する生徒には厳しい試験になるかも知れない。

しかし、このような思考力を測定する入学試験は多様で優秀な人材を集めるにはいい制度かも知れない。多様な発想があった方がより優れたものが出てくる可能性も高いと思われる。

答申案は、センター試験や個別試験のいずれも知識偏重で1点を争うテストから、知識の活用力や思考力、主体性を評価する入試に転換するべきだと指摘している。

しかし、これは一言で言えても、実際に測定するのはかなりのノウハウが必要ではなかろうか?面接や小論文を書かせて読む必要があり、採点も大変になるだろう。だから、このような入試の定員は当初は少なくなるのではなかろうか?

個別試験については、筆記試験の点数ではなく、志望理由書や面接、プレゼンテーション能力、集団討論、部活動の実績、資格試験の成績などを組みあわせて選抜するよう提言した。どの程度提言が実現されるかは不透明だが、AO入試(推薦入試)にはすでにある程度適用されているのではなかろうか?

学力を測る場合は、選択式だけでなく、「記述式、論述式」にするとした。こちらはやはり暗記力も必要と思われるが、より深い理解が必要になりそうだ。しかし、東京大学や京都大学に合格できる人はそういうタイプが多いことからこのような選抜方法に変えたところで、大きな変化が起こるかはわからない。

とはいえ、このまま従来どおりの教育をしていては日本経済を復活させることは不可能だろうから、教育についてもどんどん改善してより自由化して行ってもらいたいものだと思う。

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