大村智元北里大学特別栄誉教授がノーベル賞受賞

ノーベル医学生理学賞に、元北里大学教授の大村智氏が選ばれました。

大村智さんは、山梨の今の韮崎市の大きな農家に昭和10年に生まれ、将来農家になるので勉強はしなくていい、と思っていたそうです。

ただ、英語の勉強だけはしなさいと言われて勉強したのが後に非常に役に立ったそうです。

父親が、勉強するなら大学に行ってもいいぞ、と予想外のことを言われ、大学を受験し、山梨大学に入学します。そこでスキーの魅力に取りつかれ、あまり勉強をせずにスキーにのめり込んでいたそうです。

それでも、山梨大学には大学教員がマンツーマンで指導する制度があり、そこでクロマトグラフィーの技術を身に付けたことが将来とても役に立ったそうです。

ノーベル賞受賞の対象となった研究は、静岡県の土壌中から見出した放線菌で、エバーメクチンを生産する。この物質は線虫などの神経系をまひさせるが、哺乳類の神経系には影響しない特性がある。

そこで、エバーメクチンを基に、さらに効果を強めた「イベルメクチン」を開発した。ところ、家畜の抗寄生虫薬として世界的なベストセラーとなったそうだ。

大村さんは、1973年からメルク社と共同研究をしていて、このイベルメクチンは世界的なベストセラーとなり、北里大学に250億円の特許収入をもたらしたという。大村智氏自身にもその1%が入ったそうで、2億5千万円の副収入があったことになる。

今の国立大学法人では、特許収入の3割が教員に配分されるので、今の制度であれば、大村さんに75億円の特許収入が配分されていたはずだ。もっともそんなにもらうと税金が大変なので、おそらく大学に寄附すると思われるが。

いずれにしても、イベルメクチンは、失明につながるオンコセルカ症やリンパ系フィラリア症(象皮症)などの寄生虫にも効果があることがわかり、多くの人を失明から救った。

アフリカではメルク社の協力で無料でイベルメクチンを配布するプログラムを実施し、2012年までに延べ10億人にイベルメクチンが無償配布されたという。

また、WHOによると2002年までに、少なくとも4000万人のオンコセルカ症の感染を予防したという。これほど多くの人の失明を防いだとしたら4000万人の人生を変えたことになる。

大村智さんは、人の役に立ちたい、という気持ちでコツコツ研究をやり、それにより徐々に研究費も増え、研究が進んで行ったようだ。

大学の教員は最初の頃は研究費も少ないが、それでも成果を出していけば研究費も増え、世界を救うような大発見もできる、ということだろう。

山中伸弥先生も謙虚な人格者だが、今回の大村智氏も地道に素晴らしい研究をされてきた人格者のように見える。そういう意味ではノーベル賞を受賞するにふさわしい人格ではないかと思われる。

今後もどんどん大村智北里大学特別栄誉教授のような人が続出して欲しいものだ。

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