梶田隆章・東大教授にノーベル物理学賞 素粒子ニュートリノの質量発見

大村智北里大学特別栄誉教授の昨日のノーベル生理・医学賞の受賞に続いて、ノーベル物理学賞を東大教授の梶田隆章氏が受賞した。

大村智さんは、山梨大学から定時制高校教師、東京理科大修士を経て北里大学で教授となり、微生物の研究を地道に行って画期的な薬を発見し、ノーベル賞につながった。言わば、泥臭い研究で大成功された方、とも言える。

もっとも、莫大な特許収入を得て、美術館を作ったり、温泉引いたり、大胆なお金の使い方をされる方ではあったが。

今日受賞された東京大学宇宙線研究所の梶田隆章教授は東大理学部で小柴昌俊教授の元で研究し、その流れでノーベル賞を受賞した言わばエリート研究者とも言える。

素粒子ニュートリノは70年代に確立された標準理論では質量がないと言われていたが、梶田隆章教授らが、振動現象を発見し、ニュートリノに質量があることを発見して基礎理論を書き換えた。この偉業に対して今年のノーベル賞が授けられたわけだ。

ノーベル賞はノーベル賞の研究室から出る、とアメリカの大学等では言われているが、やはり、ノーベル賞を受賞した教授のいる研究室からはノーベル賞が出るんだなあ、と思う。

今回のノーベル賞は、カナダのクイーンズ大学のアート・マグドナルド名誉教授との共同受賞。

梶田先生はニュートリノの発見でノーベル賞を受賞された小柴昌俊先生の弟子で、数年前に南部教授らがノーベル賞を受賞したときも実は他に小柴先生の弟子で業績からノーベル賞にふさわしい人(戸塚洋二東大特別栄誉教授)がいたが、直腸ガンのため2008年に66歳で亡くなってノーベル賞を与えそこなったという話があった。これはノーベル賞委員会の大チョンボとも言われている。今回のニュートリノの振動現象はこの戸塚洋二先生の発見という説もある。

その後も小柴昌俊先生の流れからは何人もノーベル賞候補が出ていて、今回も2人挙がっていたが、そのうちの1人が予想通りノーベル賞を受賞した。

スーパーカミオカンデは小柴昌俊先が超新星爆発に伴うニュートリノを観測した「カミオカンデ」の後継施設である。

フランスのセルン(CERN)のコライダー(大型ハドロン衝突型加速器)も有名で、あれを作れば数年間ノーベル賞を独占できるのではないか、と言われていた。

カミオカンデがあることで、日本人のノーベル賞どんどん増える可能性がある。こうした施設をもっと作れれば日本のサイエンスにも希望が持てる。

梶田氏は昭和63年、カミオカンデで観測した大気ニュートリノの数が理論値より少ないことを発表。さらに原因を究明し、日本が得意とするニュートリノ研究を大きく発展させたという。

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