30歳、40歳代以上からの東大受験
- 2013年04月13日
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何度か書いていますが、私の大学受験教材の購入者には、30代後半、50代前半の東大受験生がいました。
というのは、今も続けて受験をしているかどうかは確認していないのでどうなったかはわかりません。ただ、2人とも本当の目的は別のところにあったので、合格できなくても不思議はない状況でした。本当に自身が東大に入らなくても、問題を解決する道が別にあるのは明らかでした。
50代前半の男性は高校2年生の娘さんがいたので、本当の目的は娘さんに合格してもらいたいので、自分が受験してみて、東大受験の合格方法を教えるのが本当の目的でした。なので、最悪合格できなくてもさほど困らない状況でした。
もう1人の30代後半の女性も家族関係に悩みを持っていて、そのために東大に入りたい、ということだったので、家庭の問題が解決できれば東大に合格しなくてもよい状況でした。
このような、「何が何でも」という絶対的決断状態でない場合は、合格しにくいです。何が何でも合格する以外にはない、という精神状態になれば合格しやすくなります。
では、高齢者が東大等の一流大学に合格するには精神力だけで足りるでしょうか?
高齢者の一番の問題は、丸暗記がしにくくなることでしょう。年をとるに連れて記憶力が弱くなるのはどうしようもないので、丸暗記力は若い学生に比べると低くなります。
しかし、その分経験の蓄積があるので、理解が深くなります。例えば、海外旅行をしたことがあれば、その地域の地理や歴史は肌で感じることができるはずです。
アトランタに行ったことがあれば、南北戦争がどんなに残酷で悲惨なものだったか、夫や恋人を失った未亡人が大勢出たことなと、現地の展示を見て初めてわかるようなこともあります。
また、フィラデルフィアの独立記念館には、銃で武装して何日間も議論した部屋や、独立戦争を知らせるリバティ・ベル(liverty bell)というひび割れた大きな鐘があります。
ローマのコロッセオや遺跡を見たことがあれば古代ローマ時代の理解は早いでしょう。
そうした実体験は若い受験生はほとんどないでしょうから、人生経験の長い人の方が教科書や参考書を読んでもより深く理解できるはずです。
高齢受験生にとっては、丸暗記ではなく、理解に基づく暗記を勧めます。そうすれば、若い受験生よりも本質的な理解が深まり、記憶力でも若い学生と遜色なく勝負できます。
これは私が弁理士試験を受験していた頃にも聞いた話です。高齢の方がおられたのですが、その人もやはり、丸暗記は難しいので、理解して記憶するようにされていました。というよりも、理解できないことは記憶できない、とも行っていました。
ですから、丸暗記できない、と嘆くのではなく、記憶できないのは、理解がまだ十分ではないからだ、と考え、より理解を深めるようにすれば自然に記憶できるようになると思います。